【大阪公立大学院】工学研究科 電気電子系 院試(数学)対策

数学の科目内容

線形代数、解析学、微分方程式、複素関数から構成されています。

他大学ではあまり出題されない分野からの出題もあり、独特な内容になっています。

本記事では、電気電子システム工学分野について説明していきます。

大阪公立大 電気電子系(電気電子システム工学分野) 院試の全体

電磁気学、電気回路学、数学を全て必須科目で回答します。解答時間は下記のようになっています。

大阪公立大(電気電子系)の院試形式
  • 電磁気学(3題)+電気回路(3題):180分
  • 数学(4題):90分

他大と比較して試験時間、分量が多く、網羅的な対策が必要になります。

数学は、下記の出題分野が頻出になっています。

  • 線形代数:
    • 行列の対角化。n乗の計算。
    • 表現行列、写像
    • 正射影。グラムシュミットの直交化
  • 解析学
    • 極限(三角関数型、対数型)
    • 一変数関数の積分(変数変換)
  • 微分方程式
    • 同次系微分方程式
    • ロンスキアンを用いた2階線形微分方程式
    • ベルヌーイ型微分方程式
    • 完全微分方程式
  • 複素関数
    • 孤立特異点とコーシーの積分公式

難しい順に、線形代数>解析学>微分方程式>複素関数と考えています。実は、最後の大問から解いていく方が点数を確保できるかもしれません。

複素関数は、得点源です。経路内の孤立特異点を求めて、積分定理に当てはめる問題が非常に多いです。他の大問と比較してワンパターンで、これだけは是非確保したいです。

微分方程式は、上記で紹介した4つの型がよく問われます。特に、ロンスキアンは毎年出てきます。必ず解けるようにしましょう。オイラーの微分方程式など、その他の微分方程式の出題は少ないです。対策は後回しになると思います。

解析学は、極限が難しいです。ロピタルの定理を使えば簡単に解ける問題が多いですが、証明無しに使ってよいか分からないからです。高校数学ではアウトですが、大学数学ではよく使われるため、管理人は問題無いと考えていますが、大学側に確認した方が良いと思います。

解析学(積分)については、慣れると簡単です。√型を1次の変数に置き換えると上手く行きやすいです。是非得点源にしましょう。

線形代数は、難しいことが多いです。特に、写像が難しいです。表現行列なる他大学ではあまり出題されない内容が問われるからです。これは対策必須だと思います。対角化により、行列のn乗を計算する定石問題もありますが、\(E+A+A^{2}+ ^\ldot +A^{n}\)などの数列として出題されることがあります。

線形代数以外で点数確保し、線形代数は取れるところを取って8割得点できれば良いと思います。

対策に使える参考書、問題集

全体

出題分野は多岐にわたりますが、難問が出題されるわけではありません。市販の問題集を完璧に近づけることで、十分合格点を取ることができます。

線形代数

幅広い分野から出題されますので、演習書1冊を完璧にする観点で紹介します。

新版 演習線形代数 寺田 文行 (著)

他の演習書でも良いですが、管理人はこちらを紹介します。理由は、表現行列に関する問題をしっかり取り上げているからです。この本に限らず、写像に関する問題を多めに扱っている問題集を選択すると良いです。

解析学

解析演習 (数学演習ライブラリ 2) 野本 久夫 (著), 岸 正倫 (著)

古いですが解説がしっかりしています。十分、現代の勉強にも通用する内容です。なるべく、極限と一変数の積分に関する演習を積める本を紹介しましたが、完ぺきでは無いと思います。是非本屋で、上記2分屋を多めに紹介した問題集で自分に合うものを探してみてください。

微分方程式

演習微分方程式 (演習数学ライブラリ 新版 3) 寺田 文行 (著), 坂田 ひろし (著)

他記事と同じくこちらの問題集をオススメします。前章で紹介した型に関する類題を十分に演習できます。後半の部分は出題が無いため、前半2,3章を重点的に行うと良いです。

複素関数

応用数学 (工学系数学テキストシリーズ)工学系数学教材研究会(編集)/上野健爾(監修) (著)

他記事と同じく、こちらの参考書をオススメします。経路内の孤立特異点の取り方により積分結果が変わる問題も掲載されており、本学の院試に十分通用する内容になっています。

対策に使える他大学の問題

線形代数を中心に、本学特有の内容があります。こちらについては、あまり紹介することができないです。市販の問題集及び過去問を参照くださればと思います。

分野ごとの類題 (赤字:オススメ)
  1. 線形代数:該当なし
  2. 解析学:名大
  3. 微分方程式:阪大、神戸大、農工大
  4. 複素関数:神戸大

線形代数は該当なしです。行列のn乗計算は、どこの大学でも出てきます。そのほかの分野の演習は、問題集を使用することが適切と判断したためです。

解析学は、名大だと思います。極限及び一変数関数の積分は、よく出題されます。ただし、公立大に対し難易度が高いため、試験の総仕上げとして行いましょう。

微分方程式は、神戸大と農工大がレベル的に近いと思います。取り扱われる型も似ている神戸大が特にオススメです。農工大は、ロンスキアンの計算練習のために使うと良いです。

複素関数も神戸大がオススメです。特異点の取り方により積分結果が変わる問題自体、出題される大学が少ないですが、神戸大では出てくることがあります。是非類題演習に活用してください。

最後に

公立大の院試は試験時間が長く、試験時間中に息切れしてしまうことがあります。大学受験時の勉強を思い出し、長時間問題を解き続ける練習を直前期に行った方が良いかもしれません。

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