下記のように、端子2を境に特性インピーダンスが異なる分布定数回路を直列接続する。端子3を特性インピーダンス

はじめに
前回の記事では、端子2を境に線路が分岐した並列回路を解説しました。今回は、直列接続だが特性インピーダンスが途中で変わる回路について解説していきます。
どのような問題であれ、F行列を用いることが解法の起点になります。
この記事で覚えてほしいこと
- 分布定数回路も、直列接続の場合、F行列を掛け合わせることができる。
- 掛け合わせたF行列を元に、回路全体のF行列を求める。
- 終端抵抗の条件を代入し、入力インピーダンス
を求める。
集中定数の二端子対回路問題で、下記のような回路を見かけたことはありませんか。

端子間のF行列が分かっていれば、それを掛け合わせることで全体のF行列が分かりました。
分布定数に関しても同じで、特性インピーダンスが切り替わる前後のF行列をそれぞれ求め、掛け合わせることができます。
全体のF行列
※
解答例
全体のF行列
端子1-2間のF行列を
なので、全体のF行列は、
入力インピーダンスの計算
前章の説明から、(1)式のF行列には(5)式の内容が入る。
であることが分かった。
最後に
本問は、非常に計算が大変です。。
途中の計算ミスが怖いですが、防止するためのイメージだけ最後にお伝えします。
本問の条件だと、端子3が特性インピーダンス
この結果、端子2以降は無限長であるとみなせます。この結果、端子1から見ると端子2が特性インピーダンス
こういったイメージを掴んでおくことで、計算ミスを防ぐことができます。