【大阪大学大学院】工学研究科 電気電子情報通信専攻 専門科目(制御工学)の対策

制御工学の試験範囲

古典制御、現代制御から出題されます。

少ないときは2題ですが、4題のときもあります。他科目に対して計算量が多く、時間がかかります。

管理人としてはなるべく選択したくない科目ですが、他大でも良く出題される分野です。勉強時間の削減と言う意味で、選択肢に入ると考えます。

阪大 工学研究科 電気電子情報通信専攻 院試の全体

基礎科目+専門科目で構成されています。

制御工学は専門科目に属します。うち、電気工学コースと、量子情報エレクトリクスにて出題されます。

コースごとに出題される分野に若干の違いはありますが、科目全体で3題選択します。

試験時間は120分で、1題当たり40分の配分になります。

阪大 工学研究科 電気電子情報通信工学専攻(専門科目)の大問構成
  1. 制御工学
  2. 電磁波工学(電気工学コースのみ)
  3. 量子電子物性1(量子力学)
  4. 量子電子物性2(半導体デバイス)
  5. 量子電子物性3(電子物性)
  6. 信号処理

古典制御は、全体的に他大の院試問題と似ています。安定性の判別法が頻出です。

根軌跡もよく出題されますので、是非阪大対策に作成方法を覚えておいた方が良いです。

他、ラプラス変換⇒逆変換したときの時間領域の出力応答を作図する問題も出ます。ここが特に計算量が多いです。最終値の定理で、収束値が合っているかを確認しながら計算していきましょう。

現代制御は、状態フィードバック、極配置が頻出です。出題分野自体は他大学とあまり変わらないですが、フィードバックベクトルが\(-kx\)型、\(-ky\)型など、様々な形で出てきます。

大学によっては片方の型しか扱われないですが、阪大対策には両対応する必要があります。

可制御、可観測判断も、行列が正則でない場合で考えることもあります。これも、同様に対策が必要です。

対策に使える参考書、問題集

全体

最近6か年は以下の分野の出題がありました。

  • 2023年:
    • 線形時不変システムのステップ応答
    • フィードバックシステムにゲインを与えた際の出力特性
    • 状態フィードバックを用いた安定性判別
  • 2022年:
    • フィードバックシステムの出力応答
    • 状態フィードバックを用いた安定性判別
  • 2021年:
    • フィードバックシステムの出力応答
    • 状態フィードバックを用いた安定性判別。行列指数関数。
    • 状態方程式の変数変換
  • 2020年
    • フィードバックシステムの安定性。定常偏差。
    • 連立微分方程式の変数変換。可観測性。
    • 状態フィードバックを用いた安定性判別
  • 2019年:
    • 伝達関数(2次形式)の出力応答。ベクトル軌跡。ゲインの算出。
    • 状態フィードバックを用いた安定性判別。
  • 2018年:
    • 伝達関数の等価変換
    • フィードバックシステムの定常偏差。ゲインを大きくしたときの根軌跡。
    • 状態方程式の変数変換。状態フィードバック。

上記のように、出題分野は年度ごとにあまり変わりません。ただし、計算内容が一癖あったりするので、難しめの問題集、参考書での演習をオススメします。

古典制御の参考書

1.フィードバック制御入門 (システム制御工学シリーズ) 杉江 俊治 (著)

阪大のシラバスで紹介されています。古典制御の内容がコンパクトにまとまっています。他の本の違いとして、根軌跡が早いページで取り上げられています。そのため、演習問題の中で早めに多くの類題に触れることができます。阪大対策にオススメの一冊です。

2.システム制御理論入門 (実教理工学全書)小郷 寛 (著), 美多 勉 (著)

現代制御に関する内容を詳しく説明しています。行列の計算など、数学の計算から説明していますので、初学でもついていくことが出来ます。

3.線形システム制御入門 (システム制御工学シリーズ 4) 梶原 宏之 (著)

amazonのレビューでは難しいと評されていますが、うまくまとめられていると思います。現代制御は全体的に難しいですが、2.の副読書として用意すると良いです。

4.演習で学ぶ現代制御理論 森 泰親 (著)

教科書を読んでも分からない場合は、演習を通して覚えると良いです。特に、3章~5章の可制御、可観測、極配置、状態フィードバックは必ず演習した方が良いです。

また、第8,9章のように、サーボ系を導入した際の定常偏差の計算問題も発展形として取り組みたいです。

5.大学院入試徹底対策テキスト 制御工学 森 泰親(著) (オススメ)

他記事でもオススメしていますが、結局最後はこちらになります。東工大など、難しい院試問題を詳しく解説しています。制御で得点源にしたいときは、是非とも演習すると良いです。

対策に使える他大学の問題

古典制御は出題する大学が多いので、多めにオススメできます。

一方で、現代制御はそもそも出題大学が少ないです。

分野ごとの類題 (赤字:オススメ)
  1. 古典制御:東大、東北大、九大
  2. 現代制御:九大

古典制御は、計算量の多さが似通っていることから東大がオススメです。2次形式の問題がよく出題されますので、苦手な方は是非目を通してみてください。

現代制御は九大しかありません。東工大も出題されている時期はありましたが、最新年度では見つかりませんでした。前章で紹介した問題集(5.)に取り組んだ方が良いと思います。

最後に

専門科目を3題選択する必要があることから、制御工学は泣く泣く選択する受験生が多いと思います。

計算量は多いものの覚える事項は少ないです。よって、相性が良い人もいます。是非、学部の講義を受けてみて選択するか判断してみると良いです。

タイトルとURLをコピーしました