【古典制御】二次遅れ要素と出力波形

問題

(1)下記のRLC直列回路をラプラス変換し、入力電圧Vi(s)と出力電圧Vo(s)の比の伝達関数G(s)を求めよ。また、減衰率ζ、固有周波数ωnを回路定数L,R,Cを用いて表せ。なお、回路定数は抵抗R、インダクタンスL、キャパシタンスCとする。

(2)このRLC回路にsin(3t)の正弦波を入力したところ、下記の波形になった。また、単位ステップ関数を入力し、十分時間が経過したとき、出力が2になった。伝達関数G(s)に具体的な数値を与えよ。

2次遅れ要素とは

G(s)=Ks2+as+bなど、分母のsの次数が2次で表される伝達関数のことを言います。

一般的に、システムの伝達関数は下記の形で表すことができます。

(1)G(s)=b0sm+b1sm1++bm1s+bma0sn+a1sn1++an1s+an

m=0,n=1のとき、G(s)=bman1s+an形になり、分母にsの次数が1残ります。このときは1次遅れ要素になります。

「一次遅れ」は-90°位相が遅れることを言います。例えば、上記の伝達関数をsjωの周波数領域に置き換えると、下記になります。

(2)G(jω)=bman1jω+an

ωの極限を考えると、虚数項が支配的となり、位相が-90°遅れます。これを1次遅れ要素と言います。

この応用で、sの項が2次の時は、位相が-180°遅れます。これを1次の伝達関数に対し2倍位相が遅れますので、2次遅れ要素と言うわけですね。

他、G(s)=bm1s+bmanのときは、1次進み要素になります。位相が90°進みます。

減衰率と固有周波数

2次遅れ要素が

(3)G(s)=ωn2s2+2ξωns+ωn2

で表されるとき、ξを減衰率。ωnを固有周波数と言います。

減衰率は、入力に対する応答の制動の程度を表します。例として、下記のように、ステップ関数を入力したときの過渡応答を考えます。

  • ξ<1のときは、応答性は良いが、目標値を超過し、振動しながら減衰していきます。
  • ξ=1のときは、振動せず、入力に対しオンポイントで漸近していきます。
  • ξ>1のときは、過制動となり、目標値に達するまで時間がかかります。

簡単のために、ステップ関数で説明しましたが、問のように正弦波を入力したときは、下記のように伝達関数を推測します。

出力に対する入力の比→減衰率、入力に対する出力の位相遅れ→固有周波数

本問を解くうえでは、上記の知識が非常に重要です。結論、これを覚えているだけで解けます。

解答例

(1)前半 RLC直列回路の伝達関数

回路方程式は、以下のようになる。

(4){vi(t)(t)=Ldidt+Ri+1C0i(t)dtvo(t)=1C0i(t)dt

これをラプラス変換し、以下の式を得る。

(5){V(s)=LsI(s)+RI(s)+I(s)CsV0(s)=I(s)Cs

以上より、伝達関数は下記のように求められる。

(6)G(s)=Vo(s)Vi(s)=1CsLs+R+1Cs=1LCs2+RCs+1=1LCs2+RLs+1LC

(1)後半 伝達関数の減衰率、固有周波数

(3)式と(6)式の結果を比較して

(7)ωn2=1LC,2ξωn=RL

(8)ωn=1LC,ξ=R2CL

(2)与えられた波形からの伝達関数の推測

ゲインKを設定し、伝達関数を下記のように置く。

(9)G(s)=Kωn2s2+2ξωns+ωn2

ステップ入力に対して十分時間が経った時の出力は2なので、最終値の定理より

(10)y(t)=lims0sKωn2s2+2ξωns+ωn21sK=2

また、与えられたグラフは入力に対し、出力が-90°=-π/2の位相差で追従する。

与えられた入力がsin(3t)なので、s=jωに対し、s=j3

このとき、伝達関数は

(11)2wn29w2+j2ξωωnw+ωn2

-π/2位相差が発生するので、分母の実部は0になる。

(12)9ω2=0ωn=3

出力波は、出力波に対し2倍になっているので

(13)ξ=1/2=0.5

以上より、求める伝達関数は

(14)G(s)=29s2+2123s+9=18s2+3s+9

最後に

与えられた波形から伝達関数を推測する問題は、院試でよく出題されます。(阪大、九大に多い)

本問で基本的な考え方を示しました。是非、他の波形でも練習してみることをオススメします。

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