ただし、以下の公式を利用して良い。
はじめに
exp項のフーリエ変換は、素直に計算すると手間がかかります。留数定理が必要だからです。
そこで、本記事では、フーリエ余弦変換に注目します。exp項ではなく、cos項に注目してフーリエ変換を行えば、計算が非常に楽になります。
本記事で覚えたいこと
- 偶関数のフーリエ変換は
項にのみ対して行えば良い。 - オイラーの公式
を利用し、exp項のフーリエ変換を行う
1.が重要です。
与えられた関数
よって、
と変形できます。式(4)は減衰積分のため、このままでも高校数学で行ったように部分積分を2回行えば右辺にも左辺と同じ積分項が出てきます。ただ、計算に手間がかかってしまいます。
一方で式(5)は、この結果に対しオイラーの公式を用いて
フーリエ変換は、偶関数の性質をよく使います。本問を通して是非覚えましょう。
解答例
フーリエ変換
前章のように、
フーリエ逆変換を利用した積分
ここまで来れば、前回の記事と同じように、求めたい積分式と同じ形になるように値を代入していくのみです。
(9)式を逆フーリエ変換する。
分母が9、積分関数にexp項が無いことから、
よって、求める積分値は
最後に
フーリエ変換の式が与えられたときは、与えられた関数が奇関数、偶関数の性質を持つか調べましょう。うまく行けば、本記事のように計算が楽になります。
後半の積分値の算出については、