対称行列
2次形式とは
斜めの楕円を楕円形に変換することです。
例題の関数は、xy項が混じっています。この影響でグラフにプロットすると斜めの形になっていますが、座標軸を適切に変換することで、x,y軸に対して対称な楕円形に変換できます。

院試では、標準形に変換した後に、関数の最大最小値、領域の面積を求めることもあります。こちらについては次回以降の記事で紹介します。
本記事で覚えたいこと
型の2次曲線は、 で表すことができる。- 対称行列Aを直交行列Tを用いて、
と対角化する。(ただし、Tの各列ベクトルは正規直交基底であること) のとき、 と標準形変換できる。
どれも重要ですが、1番目の事項(行列の形)については是非とも押さえておきたいです。与えられた2次曲線を、
他、3番目の事項については、以下の関係式から標準形変換できます。
特に、
このように変換することで、対角行列与えられた2次形式を対角行列
解答例
与えられた対称行列
よって、
以上より、固有値は
(i)
まず、
次に、
これを単位ベクトルにすると、
(ii)
よって、
また、対角行列
最後に
2次形式の標準形変換のみを考えるならば、わざわざ
では、なぜ本記事の解答例で記載したのでしょうか? 答えは、次の記事で紹介する2次曲線の最大最小値問題を解くうえ布石にしたかったためです。
また、求めた固有ベクトル
追記(発展問題)
下記の記事で、2次形式した楕円の最大値、最小値、領域の面積を求める問題を紹介しています。
おそらく、院試でこれ以上難しい問題は出てこないと思います。
最難関に挑戦する意味で、是非確認してください。↓