【問】ある連続時間信号
はじめに
こちらの問題は、通信工学を少しでも勉強された方であれば、即答できる内容かもしれません。教科書を開けば、当然のように記載してある上式のフーリエ変換ですが、意外にもネットで調べるとあまり紹介されていないように見えます。
そこで本記事では、今後通信工学の問題を紹介していく上で、非常に重要な考え方が含まれている標記の問題について、解き方を紹介します。
本記事を通して覚えたいこと
- オイラーの公式を用いて、三角関数項をexp項に分解する
- 周波数シフトの考え方を用いると、s(t)の具体的な式を求めないままでもフーリエ変換可能
ポイント1については、
まず、
なので、オイラーの式
と分解できるので、結果は
を得られます。
周波数シフトについて
と変形することができました。
これは、元の信号
これを周波数シフトと言い、本問はこの事実を活用して解きます。
非常にざっくりとした言い回しで顰蹙を買いそうですが、フーリエ変換対象の信号に対し、exp(at)項を上乗せでかけると、計算後の信号の周波数項は、-a オフセットする。と、ひとまずは覚えても良いかもしれません。
解答例
(i)まず、
周波数シフトの性質により、
(ii)次に、
同じく、周波数シフトの性質より
が得られる。
蛇足ですが・・・
「本記事を通して覚えたいこと」章で記載した
です。
最初からここまで理解されている方ならば、標記の問題を初見で解くことも可能かもしれません。(恥ずかしながら、管理人は全くできませんでした。)
最後に
本問は、通信工学の定期試験や院試で頻出問題になります。いつしか、流れ作業で計算を行ってしまいがちですが、その裏には周波数シフトというフーリエ変換の数学的性質があることを念頭に入れながら計算しましょう。
参考文献
通信方式:守倉 正博(著) 第3章 P23 オーム社