下記の図1に開ループ伝達関数
また、図2に位相進み要素
(1)
(2)図2の制御系で、(1)で求めた

位相進み補償とは

ゲイン交差周波数付近の位相を進めて、位相余裕を増やすことを言います。
以前の記事で位相余裕の考え方について説明しました。
開ループ伝達関数
実際、制御設計を進めていると、与えられた伝達関数の位相余裕がイマイチである場合があります。
例えば、ある伝達関数のゲイン交差周波数に対する位相が-180度の時、位相余裕は0になります。
少しでも外乱を受けると、位相が-180度以上になりたちまち発散します。
こういった事象を防ぐため、システムにある程度の位相余裕を持たせる必要があります。
では、どうすれば良いのか?答えは、図2のように位相進み要素をシステムに組み込めば良いです。
システムの位相余裕が大きくなり、安定性が改善します。
解答例
(1)ゲイン交差周波数とその時の位相余裕
ゲイン交差周波数
伝達関数
これを解くと、求めるゲイン交差周波数は、
位相余裕
よって、この時の位相は、
求める位相余裕は、
以上より、システムとして安定限界であることが分かった。
(2)位相進み補償
図2の伝達関数全体の位相特性を考える。図1に対し、
三角関数の公式
これが位相余裕
(1)より、
だから、
補足:位相進み補償後の根軌跡について
(2)より、位相進み要素をシステムに組み込むことで、位相余裕を確保することができました。
と言うことは、伝達関数の極の実部は正から遠のいていることが考えられます。実際、根軌跡としてどのように変化しているのか、確認しましょう。
伝達関数

確かに、極の軌跡が正の実軸から遠ざかったことが分かりました。
※詳細な導出については、過去の記事を参照し、各自でよろしくお願いします。
最後に
位相補償に関する問題は、数々の大学の院試で出題されます。
是非、本問は解けるようになるまで繰り返してみてください。