【大阪大学大学院】工学研究科 電気電子情報通信専攻 専門科目(量子電子物性2)の対策

量子電子物性2の試験範囲

半導体デバイスから出題されます。

バンド構造、pn接合、MOSトランジスタからの出題と範囲が広いです。

2020年までは量子電子物性4が存在し、2題分問われましたが、最近は1題分の出題です。

阪大 工学研究科 電気電子情報通信専攻 院試の全体

基礎科目+専門科目で構成されています。

量子電子物性2は専門科目に属します。うち、電気工学コースと、量子情報エレクトリクスにて出題されます。

試験時間は120分で、1題当たり40分の時間配分になります。

阪大 工学研究科 電気電子情報通信工学専攻(専門科目)の大問構成
  1. 制御工学
  2. 電磁波工学(電気工学コースのみ)
  3. 量子電子物性1(量子力学)
  4. 量子電子物性2(半導体デバイス)
  5. 量子電子物性3(電子物性)
  6. 信号処理

量子電子物性2は、前半が穴埋め、後半は論述問題で構成されています。穴埋めは、教科書の頻出事項を掘り下げ、論述は、その結果から導かれる事実について述べていきます。

指定教科書の内容から出題されることが多いです。是非購入すると良いです。

全体として、選択したい科目の一つになると思います。少し範囲が広いですが、計算量自体はそこまで多くなく、大崩れしないからです。

対策に使える参考書、問題集

全体

最近6か年は以下の分野の出題がありました。

  • 2023年:
    • 金属-半導体接合(ショットキー、オーミック)時に流れる電流
  • 2022年:
    • PN接合の空乏層領域の計算
    • 金属-半導体接合のバンド図
  • 2021年:
    • ホール効果と材料選定
  • 2020年
    • バンド構造と温度ごとの電子密度
    • MOSトランジスタの動作原理
  • 2019年:
    • バンド構造とエネルギー準位
    • pn接合と拡散電流の算出。フォトダイオードの特性。
  • 2018年:
    • ホール効果と抵抗値の算出
    • 金属-半導体接合のバンド図

満遍なく出題されています。金属-半導体接合が少し多いです。

こちらの記事でも動作原理を紹介しているので、是非復習にご覧ください。

半導体デバイスの参考書

1.半導体デバイス (series電気・電子・情報系 7) 松波 弘之 (著), 吉本 昌弘 (著)

阪大のシラバスで紹介されています。院試問題の殆どがこの教科書から出ます。阪大院を受ける場合は購入必須です。

解説としては、あっさりしています。自身のお持ちの参考書と合わせて補強していくと良いです。

また、フォトダイオードに関する説明が無いので、下記の本で勉強すると良いです。

2.絵から学ぶ半導体デバイス工学 谷口 研二 (著), 宇野 重康 (著)

バンド構造はじめ、半導体デバイスの動作原理が図で紹介されています。フォトダイオードの原理まで説明があります。1.と合わせることで院試対策が万全になります。

欠点としては、npnバイポーラトランジスタの動作原理の説明が無いことです。こちらについては、別教科書で補強になります。

こちらの記事でも紹介していますので、是非学習の足しにしてください。

3.半導体デバイスの基礎(上)(中) B.L. アンダーソン (著), R.L. アンダーソン (著), 樺沢 宇紀 (翻訳)

上巻はバンド構造、中巻はMOSトランジスタに関して説明しています。ここまで詳しく説明している本は他にありません。院試勉強の範囲を超えている部分もありますが、将来半導体に関する研究を目指す方を中心に、購入してみると良いです。

対策に使える他大学の問題

試験範囲も問われる内容も大学毎に差はあまり無いです。よって、満遍なくオススメします。

分野ごとの類題 (赤字:オススメ)
  1. バンド構造:東大、東工大、九大
  2. PN接合:東大、東工大、九大
  3. MOSトランジスタ:東大、東工大、農工大

基本的に、東大、東工大の問題を用いて演習すると良いです。分量的にもそれなりで、阪大対策に通じると思います。

最後に

半導体デバイスは、電磁気学の基礎知識さえあれば勉強できます。よって、学習コストは安いです。学部4年生になってからの勉強でも院試に間に合うと思いますので、是非選択科目の一つにご検討下さい。

タイトルとURLをコピーしました