下記のLR並列回路を考える。(i)
(i)(ii)における電流

はじめに
本問は一つ気を付ける箇所があります。
解答例
(i)スイッチを閉じた時の電流値
ここは、普通に微分方程式を解いていけば良いです。管理人はラプラス変換を用います。
まず、電流
これをラプラス変換して
電流
(ii)再度スイッチを開いた時の電流値
電圧源と切り離されており、
これをラプラス変換して
これを整理し、
誤答例
十分に時間が経った時、
よって、これを回路方程式(7)の
・・・・・・・・・・・・・・・
こちらの間違いに皆様は気づきましたでしょうか。
スイッチを閉じる前の電流値であるため、閉じた後の回路方程式には適用できないです。
では、どうやって閉じた瞬間の電流値を求めるのでしょうか。ここで出てくるのが、鎖交磁束不変の理です。
スイッチを閉じる前後で電流値は変化しても、コイルを貫く磁束の総数は変化しない法則です。
で表すことができます。(前は、スイッチを操作する前の電流値、後は、スイッチを操作した直後の電流値を示しています。)
正しい解答例
鎖交磁束不変の理を考える。
これを(7)に代入し
ラプラス逆変換し
を得る。
最後に
本問は、名大の院試で実際に出題されたことがあります。回路構成自体はよく見るもののため、他大学でも出題される可能性があります。
このようなとき、単純な知識の抜けにより失点してしまうことが無いように注意できると良いです。