(1)下記のベクトル界の中で、静電界を表すものを答えよ。
(2)(1)で与えたベクトル界の中で、ラプラス方程式を満たすものを答えよ。
静電界とは
- 時間変動しない電場
- エネルギーが保存する場
- 渦が発生しない。
1.ばかり言われていますが、電磁気学を根本から理解する上で、2.3も必要な性質です。
静電界の場合、ある地点
となる。よって、任意の時間で電位は変わらないことから、エネルギーは保存すると言えます。
しかし、時間項が付属する際は、(1)式に変数が付いてしまい、時間によって変化することが分かります。よって、静電界の場合のみ、エネルギーは保存します。

また、静電界の場合、回転成分も発生しません。
もし回転成分が非零ならば、マクスウェル方程式
も非零になるから、時間変動する磁場が発生します。磁場の発生源は電流ですから、時間変動する電流(電場)も存在すると解釈できます。背理法により、静電場であるためには回転成分が0である必要が分かりました。
静電界と電位
(1)式のように、ベクトル場の線積分で電位
前章より、静電界であるとき、
と表記できます。電位の定義で示すこともできますが、ベクトル関数を解くことでも電位を導くことができました。
ラプラス方程式とは
ポアソン方程式の右辺が0のとき、ラプラス方程式と言います。
ラプラス方程式を満たす条件
電場の発散
これは、マクスウェル方程式
になることから、ポアソン方程式(5)式に代入すると、ラプラス方程式(6)式になることが分かります。
また、発散が0である物理的意味は、ある閉曲面から染み出す場が0だと言うことです。これは、電場が0であることを意味し、発生源の電荷
解答例
(1)ベクトル関数の計算
よって、
回転は非零であるため、
(2)ラプラス方程式で表される関数
前節より、発散が0のベクトル関数が条件を満たします。
よって、


