はじめに
論理回路(別名:ディジタル電子回路)は、大学生活の中でも比較的初期に勉強する科目です。大学2年生の前期で履修することが一般的で、早ければ大学1年生の時にも基礎を勉強することがあります。院試でもよく出題されます。
最初、2進数(0,1)での演算特有のルールに戸惑うことがありますが、計算内容自体は比較的シンプルです。慣れさえすれば高校生でも理解できる科目になります。
本記事では、初学者向けの勉強方針を示すとともに、オススメする参考書を紹介します。
論理回路学の概要
計算機(コンピュータ)内部の演算ロジックについて勉強する学問です。
私たちは、10進数の計算を、+、-、×、÷を基本演算子とする四則計算で行っています。
計算機内部の演算も、基本演算子(AND、OR、NOT)によって表現されます。
高校までの数学で出てくる関数は、10進数表記で様々な数値を表現できました。
一方で、論理関数については、0,1しか表現しません。1つのbitでは、0,1(FALSE,TRUE)の2つしか表現できませんが、これを複数組み合わせることで、厳密な条件下での状態を表現できます。
※0,1の離散的な値しか表現できない理由は、計算機は半導体素子によって構成されるからです。半導体は、スイッチング状態によって0,1(OFF,ON)が明確に切り替わります。スイッチ状態によって、電圧レベル:Vcc、GNDと明確に切り替わるため、これを読み取ることで計算機でも状態を認識できます。
詳しくは下記の記事で紹介していますので、準備運動にどうぞ。
補足
論理回路学と類似した科目に、「計算機アーキテクチャ」があります。論理演算ではなく、CPUを初めとする計算機の内部構造、キャッシュなどのメモリ管理を主に扱う科目です。
情報科学研究科など、情報系専門の大学院入試で問われることが多いですが、本記事では割愛します。論理回路の方が、電気系の大学院でも出題されることが多く、需要が見込まれるからです。
ただし、計算機アーキテクチャも初学者が勉強しやすい科目です。本サイトでなくとも、基本情報技術者試験勉強などのサイトでよくオススメ参考書の紹介がされています。情報系の大学院を志望される方は、是非セットで対策されてみてはいかがでしょうか。
具体的な参考書
発展的な内容を扱う参考書は院試対策記事で紹介するとして、理解することを主目的にした参考書群を紹介していきます。
論理回路入門(第4版) 浜辺 隆二 (著)
- 説明の分かりやすさ:☆☆☆☆
- 演習問題の選定内容、量:☆☆☆☆
- 例題、演習問題の解答の量、丁寧さ:☆☆☆☆
論理回路とその周辺知識の理解に必要な項目が余さず解説されています。筆者が良いと感じた所は、いきなり論理関数の解説を式で始めるのではなく、ベン図を用いてイメージから解説をしているところです。論理回路は、計算機の中の世界なのでイメージすることが難しいですが、なるだけ人に寄り添った解説、演習問題の設定をしているところが初学者向けと感じました。
解答についても丁寧に解説されていますので、初学者には間違いなくオススメできる1冊です。
ビジュアル論理回路入門 井澤 裕司 (著)
- 説明の分かりやすさ:☆☆☆☆
- 演習問題の選定内容、量:☆☆☆☆
- 例題、演習問題の解答の量、丁寧さ:☆☆☆☆
本書もオススメです。演習問題の選定、量ともに適切です。一部、ビジュアルでは無い評価もありますが、先述の通り、論理回路はイメージすることが難しい世界です。その中でも出来る限りの解説を行っていることから、一度手を取ってみることをオススメします。
なお、著者の方のHPにて、講義資料も公開されています。タイムチャートが時間に合わせて動くようになっていますので、合わせて確認すると良いです。
https://www7b.biglobe.ne.jp/~yizawa/logic2/intro/index.html
一つだけ惜しいことがあり、カルノー図の書き方が上級者向けとなっていることです。(他サイト様でも指摘されていますが)
普通、カルノー図の書き方は、00⇒01⇒11⇒10 のように、数値で書くことが一般的です。一方で、今回の場合は、0,1を対象変数のNOTの有無$\bar{x},x$で示していることが多く、慣れていないと面食らいます。
とは言え、少し考えれば理解できることで、院試で上記の書き方をしても問題無いです。二つの書籍を比較して、分かりやすい方を購入してみることをオススメします。
(後者の方がwebでの補足も参照できるため、1冊で網羅できる範囲が広くなりますが、その分レベルは高くなります。)
最後に
論理回路は、電子回路同様に社会人に入ってからもよく出てくる概念です。現代において、コンピュータを抜きにして物事が解決することは殆ど無く、要求仕様書を協力会社様へ提示する際も、テストケースXXをクリアすることが納品基準になる場合があります。
知識として持っておくと役立つ場合があります。院試では使わないかもしれませんが、電気系の方も面倒がらずに勉強してみることをオススメします。



