試験範囲
電通大(情報ネットワーク工学専攻)の選択科目は電気系科目、通信系科目、専門数学、情報系科目からなります。
本記事では、情報系科目のアルゴリズム論(第5問)、論理回路(第6問)を紹介します。
電通大 情報理工学研究科 情報ネットワーク工学専攻 院試の全体
必須科目、選択科目で分かれています。選択科目は、電気系の科目から情報系の科目の計8科目で構成されています。
選択の幅が広く、大問ごとの難易度差はあまり無いです。全体として、7,8割取れれば人気研究室を除いて第一志望を狙えると考えます。
1科目にかけられる時間は40分です。必須科目に続き、分量に対して適切な時間です。
アルゴリズム論は、探索問題がよく出てきます。ダイクストラ法を用いた無向グラフの探索や、二分探索が良く出てきます。
疑似コードで、コード全体の穴埋め問題もほぼ確実に出てきます。プログラミングの知識も必須です。
論理回路は、順序回路の設計が良く出てきます。比較器、カウンタ、bit演算が主な内容です。
誘導はあるものの、結構深いところまで問われる印象です。
管理人が電気系の分野の方が得意なだけかもしれませんが、本番では7割取れれば良いかな。という問題セット、難易度だと思います。
本サイトでは、論理回路の分野においていくつか問題を取り上げています。是非チェックしてください。
論理回路のオススメ記事
全体
最近3年分は以下の分野の出題がありました。
アルゴリズム論について、全体の傾向としては冒頭で述べた通りです。一方で、ヒープソートやスタック、キューなどのデータ構造型の説明問題も出てくることがあります。
ダイクストラ法の対策が完了後、こちらの対策を進めることをオススメします。
また、大問の最後は、東大の院試で出てもおかしくない問題が出てくることがあります。(特にアルゴリズム論)
余裕があれば部分点を取る程度で良いと思います。
論理回路について、題材は年によって異なりますが、基本的に順序回路の設計問題ばかりです。
Dフリップフロップを用いて設計することが多いので、Dフリップフロップの類題を解くことをオススメします。
二の補数の知識も必要で、単に論理関数だけ書ければ良いというわけでもありません。結局、試験勉強すべき範囲は広いと思います。
教科書
電通大のシラバスから参照してきましたが、この分野においては微妙な本が多いです。
アルゴリズムとデータ構造
アルゴリズムとデータ構造 (未来へつなぐ デジタルシリーズ 10) 原 隆浩 (著), 水田 智史 (著), 大川 剛直 (著), 西尾 章治郎 (監修) (シラバス対象本)
Ⅰ類のシラバス対象本になっています。薄いものの、疑似コードが余すことなく書かれており学習しやすいです。
他、2分探索問題やソートに関してもしっかり説明ページがあります。この本をしっかり学習することで、合格に必要な点は確保できると思います。
ただ、動的計画法(ダイクストラ法)に関する説明ページが少ないです。これでは、頻出分野で高得点を取るには心もとないと思います。
下記の本などで、追加の対策をした方が良いかもしれません。
Cによるアルゴリズムとデータ構造(改訂2版) 茨木 俊秀 (著)
他のページでもオススメしていますが、電通大対策にも使えます。シラバス対象本の分量が軽いため、こちらの本で肉付けをしていくと良いと思います。
他、Ⅱ類では下記の本が紹介されています。ただ、オートマトンに関する説明が主であり、頻出分野の説明があまり無いです。
個人的にはオススメできないですが、念のため紹介します。
オートマトンと計算可能性 (情報処理シリーズ 9) 有川 節夫 (著), 宮野 悟 (著)
図書館でちらっと覗くくらいで良いと思います。
論理回路
はじめての論理回路 河辺 義信 (著) (シラバス対象本)
図の説明が豊富であり、初心者に分かりやすい本です。電通大を志望するなら買いだと思います。
欠点としては、難易度が易しすぎることです。電通大の論理回路の最後の問題は本格的なレベルまで出題されます。
そのため、本書だけで満点を取るのは難しいかもしれません。
他、Ⅰ類、Ⅱ類のシラバスでは、「三橋渉先生が執筆している論理回路学講義ノート」が指定教科書になっていました。
ただ、Google classroomでの配布のようです。外部生が手に入れることは難しいです。
その他、下記の教科書で周辺知識を補った方が良いかもしれません。
ビジュアル論理回路入門 井澤 裕司 (著)
図書館で一読してみて、良いと思った本を購入することをオススメします。
対策に使える他大学の問題
アルゴリズム論、論理回路ともに、他大学でも出題があるため、潤沢に演習できると思います。
全体としては、東大がオススメです。
アルゴリズム論について、動的計画法の出題は毎年無いものの、二分探索やヒープソートなど、出題される問題の傾向が似ています。
疑似コードの作成もありますので、是非確認してみると良いです。
論理回路についても同様です。比較器の設計は、両大学で出題されたことがあります。カウンタに関する問題の出題形式も似ています。類題対策に持ってこいです。
最後に
次回が電通大対策の最後の記事です。数値解析、オートマトンと情報数学について説明していきます。
どちらも出題される大学が限られているので、少し取っつきづらいと思います。