【電気通信大学】情報理工学研究科 情報ネットワーク工学専攻 院試対策 選択科目(電気回路、電磁気学)

試験範囲

電通大(情報ネットワーク工学専攻)の選択科目は電気系科目、通信系科目、専門数学、情報系科目からなります。

電気系科目は、電気回路、電磁気学からなります。

オーソドックスな問題が多いですが、たまに計算が複雑な問題が出題されたりします。

電通大 情報理工学研究科 情報ネットワーク工学専攻 院試の全体

必須科目、選択科目で分かれています。選択科目は、電気系の科目から情報系の科目の計8科目で構成されています。

選択の幅が広く、大問ごとの難易度差はあまり無いです。全体として、7,8割取れれば人気研究室を除いて第一志望を狙えると考えます。

電通大 情報ネットワーク工学専攻 院試 出題科目 必須科目 120分で3題解答
  • 数学:(必須科目)
    • 線形代数 本記事で紹介
    • 微分積分 本記事で紹介
  • 選択科目(8題中3題選択):
    • 電気回路
    • 電磁気学
    • 確率統計
    • 信号処理
    • アルゴリズムとデータ構造
    • 論理回路
    • 数値解析学
    • 離散数学とオートマトン

1科目にかけられる時間は40分です。必須科目に続き、分量に対して適切な時間です。

電気回路は、フェーザ回路と過渡現象が頻出です。二端子対回路、分布定数回路はあまり出題されません。

電磁気学は、ガウスの法則とアンペールの法則を使うことが多いです。非常にオーソドックスで、勉強した分報われやすい内容となっています。

本サイトでは、電気回路、電磁気学分野において様々な問題を取り上げています。是非チェックしてください。

電磁気学のオススメ記事
電気回路学のオススメ記事

全体

最近3年分は以下の分野の出題がありました。

電気回路、電磁気学の過去出題分野
  • 2023年:
    • 電気回路
      • RLC回路の基本パラメータの計算。共振条件。
      • RC回路の過渡現象
    • 電磁気学
      • 球型コンデンサの静電容量
      • 点電荷を接続したときの電荷の移動
      • 平行版コンデンサと誘電率、静電容量の変化
  • 2022年:
    • 電気回路
      • RLC並列回路の共振条件。電力計算。
      • 変圧器結合回路のT型変換
    • 電磁気学
      • 2つの円柱導体間の静電容量、インダクタンスの計算。光速の関係。
      • 導体球に誘電体を挿入したときの分極電荷、電荷密度。
  • 2021年:
    • 電気回路
      • RLC並列回路の共振条件。インピーダンスの算出。
      • スイッチを入れたときのRL、RC並列回路の過渡現象。
    • 電磁気学
      • 円環電流の中心軸上に発生する磁場
      • 導体球殻に電荷を与えた時の各種振る舞い
      • ソレノイドコイルに電流を流した時の磁場、磁気エネルギー。

電気回路について、共振条件が非常に高い頻度で出題されます。その後、有効電力を求めるまでがセットです。

共振条件:虚部=0です。これを与える角周波数を計算する練習は必ずしましょう。

電磁気学について、ガウスの法則から静電容量を求めることが多いです。磁場に関しては円環電流からの磁場の算出が多いです。

どれも問題集で必ず紹介されている典型問題ですので、必ずできるようになりましょう。

分極電荷などたまに変化球が出ますが、全体としては8割狙えるセットだと思います。

教科書

必須科目と同様に、市販の演習書を網羅的に練習していくと良いです。院試向けの本など、難しい内容にまで手を出す必要は無いと考えます。

電気回路

シラバス指定の教科書はありませんでした。参考書として紹介されている書籍を紹介します。

新しい電気回路上下 松澤 昭 (著) (シラバス参考書) (オススメ)

非常に分かりやすいです。管理人としてもオススメします。

「なぜ電気回路を学ぶのか」の問いから丁寧に解説しており、院試が終わってからも手元に置いておけます。

扱っている問題の内容も最近の院試の傾向と合っています。解説の内容も初学者向きで、オールマイティです。

上の巻で、院試頻出のフェーザ表示と過渡現象が説明されています。上だけで良いので、購入した方が良いと思います。

下の巻は、二端子対回路やオペアンプ、分布定数回路など、電通大院試ではあまり出てこない内容です。時間に余裕があれば購入する程度で良いと思います。

電気回路ⅠⅡ 小澤 孝夫 (著) (シラバス参考書)

まだまだ新しい書籍ですので、こちらも十分オススメできます。ただ、前者で説明した本の方が、ビジュアル的にも分かりやすいので参考程度の紹介にします。

こちらの本を既にお持ちの場合は、追加の購入は不要と思います。

電気回路Ⅱについては二端子対回路の内容が主です。まずは電気回路Ⅰの内容を勉強する。で良いと思います。

演習書に関しては、下記で良いと思います。

フェーザ回路に関する基本的な計算を多く積める上巻をオススメします。

過渡現象の対策は、詳解電気回路演習(下)に載っています。ただ、難しい問題は今まで出ていないので、上巻だけの購入でも良いと思います。

電磁気学

下記の本がシラバスにて紹介されていました。

基礎電磁気学: 電磁気学マップに沿って学ぶ 細川 敬祐 (著) (シラバス対象本) (オススメ)

電気回路に続いて、シラバス本を管理人としてもオススメします。

電通大は、自大学の教授が執筆した本をいたずらに紹介するのではなく、本当に学生のことを思った教科書の紹介をしており、好感が持てます。

電磁気学は難しい学問です。電場・磁場や二つが引き起こす相互作用が複雑で、全体としてどうなっているのか管理人も完全には分かりません。

そこで本書では、電磁気学全体を理解することを念頭に、適切な分量で図を用いた分かりやすい解説がされています。

演習問題が少ないことが欠点ですが、そこは問題集でカバーできれば良いです。

教科書としては上記を強くオススメします。

一方で、演習書は定番になります。

詳解電磁気学演習 後藤 憲一 (著), 山崎 修一郎 (編集)

山村先生の本でも良いですが、上記の教科書で分野全体は理解した上だと数をこなした方が良い場合があります。

その観点で、本書をオススメします。

オススメ問題はこちらの記事で扱っています。合わせてご覧ください。

対策に使える他大学の問題

典型問題が多いので、難しい大学にまで手を出す必要はありません。

分野ごとの類題 (赤字:オススメ)
  • 電気回路
    • 電場:東大、京大、東工大、阪大、名大、東北大、九大、北大、神戸大、農工大など
  • 電磁気学
    • 磁場:東大、京大、東工大、阪大、名大、東北大、九大、北大、神戸大、農工大など

べたになりますが、赤字で記載した大学の院試問題がレベル的に近しいです。

類題も出ていますので、是非とも確認してみてください。

最後に

次回の記事では、確率統計と信号処理について説明します。

確率統計は、専門数学。信号処理は通信系科目です。電通大特有の問題も出ますので、それに注目しながら説明していきます。

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